サイトログアップしましたー。冬コミ原稿中だったから大して量ないけどー。
エニッキができたのでメニューバーの下の方にあった最近のラクガキコーナーは取っ払いましたぞ。
すでに2月というのに、冬コミで配布したお年賀ポストカードのイラストをやっとこさ掲載しました。
さてさて、久しぶりのカラーの一枚絵ってことで、なんとなくメイキング的なものを作ってみました。といっても今回はかなり素直な感じの絵なので別段変わったことをしてる訳でもなく。なんで、細かい作業手順とかレイヤーとか載せてません。いつもこんな流れで作業してます~ぐらいのまったりメイキング風です。
正直自分も色々なパターンで描いてきてるので、メイキングやるならどういう絵でやれば良いのかよく分からず。作業工程を晒すのは好きなんですけどね。このイラストどういう風に描いたの?とか、ここの加工どうやんの?とかあれば、お気軽にください~。データ残ってる限りであれば晒してみます。
①構想
あれこれ頭の中で組み立てるよりは、なんか気になるものを見たり聞いたりしてる時に完成図が頭の中にぼん!と出現するタイプです(出現しない絵は描きながら決める。これは大体失敗するパターン)
イメージの元になったのは刀語OP『拍手喝采歌合』の「湖面の月さえ捉ふ」という部分。実に剣さんらしくて雅。
完成図とイメージ元からモチーフを「着物」「剣舞」「湖に月」に決めます。脳内完成図そのままに描ければ苦労しないのですが、そうもいかないので完成図の中で「せめてこれだけは描く!」という最低限の部分がモチーフになります。
②あたり(5分)
①で頭ん中にできた脳内完成図をもとに、テキトーにあたりをとります。とりあえずポーズだけ決まればオッケーくらいです。ちなみに、こっから背景まではずっとSAI。
この時点ではこの構図が自分の画力で描けるかどうかは分からないので③に進みます。ダメだと思ったらまたここに戻る。その繰り返し。今回は3枚くらいボツ出したかな?
ポストカード用なんでトンボに合わせて描いてますが、途中でこれは下半身もあった方がよいかな?となったので次から下半身も描きます。
③下書き(15分)
あたりの上から下書き。顔はなるべく綺麗に描いておきます(一発描きだと危ないので)
体はなんとなく程度に肉付きをつけて。細かいところはペン入れしながら詰めるのでスカスカでオッケイ。
④ペン入れ1(30分)
下書きが雑なので、最初から下書きに沿って細かくペン入れしていくと、全体のデッサンが狂ったまま描き込んで徒労に終わる危険性が高いです(気を付けても徒労に終わる可能性もある)
とりあえず、ここでざざっと主要な輪郭だけ描いて全体を確認し、次からその輪郭線を綺麗な線にしたり書き直したりしながら描き込んでいきます。手元とかひどいけど今はこれでいい。
右手と右足のポーズを変更。下書きは基本あってないものなので、下書きから大きくポーズを変更するのはよくあります。
基本はSAI鉛筆ツール。刀や扇子など直線or曲線のものはペン入れツールでベクター線をいじって描きます。
⑤ペン入れ2(2時間)
④のラフを線を綺麗にしたりメリハリをつけたり細部を描き込んだりして線画の完成。
左足はトリミングする予定なのでとりあえず描かないまま。
⑥下地塗り(15分)
ベタっと下地の色を塗ります。あとで調整するんで色はテキトーに。
1色1レイヤーが基本なんで、色数が少ないほど楽です。今回は簡単。SKLカレンダーの絵とかごちゃごちゃしたやつはレイヤー数がやばいです。
この配色で知ってる方はピンとくるかもしれませんが、『刀語』最終話の七花の衣装がモデルです。かっこいい。
⑦影(1時間半)
下地にクリッピングマスクで影を塗り塗り。
基本は影1色。気合入った絵なら一番暗いところにもう1色、ぐらいです。彩度の高い影を使う傾向がありますが、今回は和風のしっとりした絵なので彩度抑え目で。夜なのでいつもより影多め。
光源とか意識できるほど上等ではないので、今回は光が左上にあるな~程度の意識で塗りたいところに塗っていきます。湖面に月光が反射するので、肌は少しだけ反射光を意識して。着物はどうせ柄を置くので邪魔にならないように簡単に。
⑧背景準備(1分)
線画の下に人型に白ぬきレイヤーを作って、その下に全面青の背景レイヤーを作ります。
普段なら白ぬきレイヤーは作らず、ただ人物の周りだけを塗った背景レイヤーにするのですが、今回は一人だしシンプルなんで白ぬきを作りました。その方が後で人物を動かしても背景を直す必要がないので便利なんですが、やはり普段は面倒なんでやらない…
⑨背景(1時間半)
背景レイヤーにクリッピングマスクで背景を描いていきます。ここでフォトショ登場(ちゃんとしたフォトショ持ってないからエレメンツ)SAIとフォトショを行き来しながらの作業。
ここは上手くいかずとも耐えるところです。一番妥協を必要とします。参考資料の写真なんかを検索しつつ、とにかくいじりながら理想と技術力の妥協点を探す。
フリー素材からゲットした月とグランジのブラシをいじって水面と花びら。最近の絵なんて加工とブラシに頼ってるなんて言われますけどねー、加工すんのもブラシ使うのも大変なんですからねー。ぷんぷん。
⑩着物の柄(3時間)
一番センスが問われるところ。今回は「とにかく目出度く」だったので、派手派手に。
振袖は、菊とうっすら見える模様がフリー素材から。それに手書きで松竹梅。袴もフリー素材模様を背景に、手書きで柳と燕、あとなんか流れみたいなやつ。
松竹梅に加えて、菊も柳もおめでたい植物。燕は夫婦円満の鳥。戯れる燕二羽で地獄の夫婦円満を祈願しています。
3時間の作業時間は素材を探したりデザインを考える時間がほとんど。実作業は1時間程度だろうか。
⑪グラデ(15分)
人物の光が当たっているところとか色が足りないところにグラデで色を入れます。
アニメ塗りを強調したいときはこの作業はしませんが、今回は背景などにグラデをたくさん入れてるので人物を馴染ませるために入れました。主に髪と肌。少し色相をずらした色を入れます(肌なら赤系とか)なんかアニメ塗り+グラデって最近のアニメっぽいよね。
ここで刀も仕上げのため塗ります。
⑫色調整(30分)
今まで適当に色を選んで塗ってきましたが、全体が完成したのでそろそろ色を調整します。
主線を少し薄くしてやや茶色めに。あとは全体を見ながら各レイヤーを色相・彩度で微調整。細かいところにグラデも追加してます。
⑬ハイライト(1時間)
瞳、髪、刀などにツヤをいれていきます。
これは大事な作業ですね。今回は人物だけで光るものもないんであまり塗りませんが、特にロボを描く時は命といって差し支えないでしょう。元々塗りがあまり細かくないんでこういうとこで描き込まなければ見映えが…!
ちなみに、大分古い絵ですがロボを描くときのハイライトあるなしの例。
⑭仕上げ(15分)
最後にちょちょっと仕上げにおめかし。
花びらを手書き&ブラシで散らします。ポストカード用の方は文字入れなど。
⑮トリミングして出来上がり!
絵のバランスのセンスが無いんでトリミング苦手なんですけどね。余分かなと思うところを切り取って出来上がり!お疲れ様でしたー!