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 純愛ist(更新停止)

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ばらばら、ばらら

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ばらばら、ばらら



 ろきしゃの新刊、昨日無事に入稿してきました。あとは当日、無事にスペースに置いてあるのを待つのみであります。
 新刊サンプルは明日か明後日pixivにアップしようと思っていますが、今んとこ当日無配がいけるかいけないか微妙なとこで、このブログにイベント当日情報をアップするのはそれが確定してからになると思います。
 という訳で、現状のイベント情報でした。


 本題。
 シンガンアニメCDの話。ぽちぽち感想書いてて、入稿前にしたためようと思ってたのに思ったより原稿に手こずりこんなことに。アニメがクライマックスを迎える前に語りたい。
 てことで、「Falling Roses」(以下フォーリンローズ)と「Crimson quartet-深紅き四重奏-」(以下カルテット)の話を始めます。

 唐突だけど、アニメクロウさんは自傷癖があるって設定がついた。その理由はフォーリンローズがすべてな訳で。

 フォーリンローズは衝撃だった。
 あのクロウさんが誰も救われない歌を書いた…、とちょっと膝から崩れ落ちるような衝撃だった。TVサイズで聴いて「歌詞暗いな」とは思ったけど、結局クロウさんって最後には救われる歌を書く人なので、後半少し光が射しこむ内容なのかなと思ったら、最後までただ絶望に打ちひしがれて、神に救いを乞いて、傷だらけの心と体から血を流し尽くす歌だった。
 アプリのクロウさんとは明確に人間性が違う、と強烈に感じた。やはりアプリとアニメは別人なのだ。そして、このどうしようもないどん詰まりの絶望感こそアニメクロウさんの特性なんだと思う。

 絶望、苦痛、闇、救い…そういう単語が散見されるけど、結局この人が何を理由に傷ついているのかはよく分からない。でも、神に救いを求めることや、『真ッ黒ナ空ノ隙間カラ降リ続ケル闇ニ打タレ』ということから、その理由は自分にはどうしようもできない、空のようにスケールが大きく、掴みどころのない「漠然とした絶望」のようなものな気がする。
 そこでなんで自傷癖がつくのかって話になると、多分歌詞内で語られる唯一具体的な痛み『冷酷に光る最悪な聖痕-スティグマ-』から、心の傷だけでなく、少しばかり体にも物理的な傷を持っている気がする(ちなみに聖痕とは、勝手に体に浮かび上がる神様が与えた傷だけど、宗教的恍惚感のため無意識のうちにつけた自傷だという例もあるそうだ)
 病気とか障害(特に耳の障害)も考えたけど、そこまで具体的かつ深刻なものにしたくない(もっと抽象的で短絡的で、薔薇のように毒々しい精神の方がこの曲に合うからだ)ってことで、フォーリンローズ全体を通る「血を流す」というテーマに合わせて、自傷をしていそうだと推察した。そうすると、常に付けているチョーカーや、寒がりだと言ってメンバー内唯一厚着をしてるのが途端に不気味に見えてくる(あ、でも滝に打たれてたね…)
 それぐらいメンヘラというか、痛くて痛くて痛くて気が狂いそうな情緒不安がないとこの曲の絶望感は書けない。そう思った。

 クロウさんは芯の芯からハリネズミだ。
 私は、アプリクロウさんは外に向かった針が人を刺し、「人を傷つける」ことにコンプレックスを抱く人だと思って描いてきてたけど、なら、アニメクロウさんはその針が内側に向かって自分を刺し、「自分を傷つける」ことにコンプレックスがある人、として描いていこうかな…とかなんとなくの方向性が見えてきた(現状の問題は、この病的な内面をあの元気でギャグお任せのアニメクロウさん像とどう折り合いをつけていくかってことだけど)
 あと、歌詞世界にキリスト教的価値観が強いので、意外と家はクリスチャンなのかもしれない。

 そこから続けて、カルテットの話。ここの飛躍がすごかった!アニメであんなにさらっと作ったのに!!!
 今までアプリシンガン楽曲をつなげてクロウさんの成長物語にするのを推してきた私だけど、アニメもまったく同じだ。前述のようにフォーリンローズには絶望感と痛々しさしかない、そこからのカルテットへの飛翔がとんでもない人間的成長を見せてくれている。アプリで例えるなら、ニューワールドオーダー→ラストフラワーへ一気に飛んだ感じ。

 フォーリンローズもカルテットも、どちらも共通するワードは「神」と「深紅」。この単語に込める意味合いの違いからこの人の成長が分かる。
 フォーリンローズでは神は救いを求める対象で、ひたすら祈りを捧げている。でも、カルテットでは『神域の絶景を見せてやる』『神々の戯れるエデンより来りし俺』と、自分>神になっている、そして自らが(自分を救ってくれなかった)神に成り代わって囚われた家畜達を救おうとしてる(成り代わるというか、神という呪縛からの脱却・解放というニュアンス?まさに堕天使である)
 そして、深紅。フォーリンローズだと『傷だらけの心が深紅を流し彷徨っている』ってことで、つまり深紅=血というモチーフが確定してる。カルテットでも『深紅く染まりしこの歌声で』というように、自分の歌が(自分の)血に染まった歌だということを自覚してる。
 でも、その血で染まった歌声で『全てを喰らい尽くせ』と叫んでる。自分の流してきた血を歌声の糧にし、その歌で神様も救ってくれない絶望だらけの世界を呑み込もうとしてる。血まみれの真っ赤な体でこの人は、自分と同じ傷だらけの家畜達を救うために歌い続けようと…。なんか、ここらへん感無量すぎてうまく言葉で語れないので、何度でも曲を聞いて心で感じよう。
 とにかく、あの救いのないただ絶望感に縛られていた歌を歌っていた人が、今度は自分と同じように絶望に縛られている人達をその鎖から解き放ってやると歌っている。シンガンクリムゾンズのメンバーはクロウさんをここまで変えたんだ。

 ラストフラワー語りで、これがアプリクロウさんの最終回と言ったけど、アニメクロウさんの最終回は2曲目にして訪れた。本当を言えば最終回グレイトフル・ロックフェスでこの曲を披露してほしかったけど、そこはアニメのストーリーってもんがあるからなにも言わないぞ。
 あと付け加えると、この2曲には、フォーリンローズでは天高い先(闇が降ってくる場所)にある『運命の焔』、カルテットでは『運命すら支配しよう』、という運命との戦いも共通事項なんだけどここをもうちょっと掘り下げたい。恐らくこの『運命-フェイト-』がクロウさんを苦しめている元凶か。これはアニメシンガンのテーマ「俺達は深紅色の心眼でこの淀んだ運命に抗い続けル…」ともかぶるので、案外アニメ中に語られるやもしれない…のか?

 クロウさんて何がすごいかって、常に弱い人や苦しんでいる人のために歌っているってのがすごい。アプリ版は夢を追いかける人の味方で、アニメ版は傷ついている人の味方。天衣無縫で自己中心的。なのに、いつも誰かを歌で支えようとしている素晴らしい男です。アニメのクロウさんは、リストカッターやメンヘラ女子にやさしいんだろうなあ。

 本当はアニメがすべて終わってから&キャラソン聞いてからの方が、考察材料が集まってきちんと設定を固められると思ったんだけど、とにかくあまりにも衝撃的だったから、現状でのアニメクロウさん像を固めたくて書いてみた。
 単純に歌としての感想も書きたかったんだけど時間がないや。とにかくフォーリンローズの4人全員のセリフ部分が大層やばい。あそこからラストサビまでの流れをどうか最終回で流してくれんかなあ…?

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