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 純愛ist(更新停止)

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R-TYPEパロ(設定)

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R-TYPEパロ(設定)


【はじめに】
 往年の名作シューティングゲーム『R-Type』シリーズのパロディです。
 機体と世界観をちょっと借りてるだけなので、元ネタを知らなくても大丈夫だと思います(ぶっちゃけ私もプレイはしてない)。実際のネタと創作ネタがごちゃごちゃになっているので、逆に知らない方が良いかもしれません。時間軸とか。知っている人は見て見ぬふりです。


【R-Type基礎知識】~これさえ知っておけばこのパロは大丈夫!~

『あらすじ』
 22世紀の地球を襲った未知の生命体『バイド』と、バイドに対抗するために作られた人類最強の兵器『R戦闘機』。
 すべてを食らうケダモノと、それを越えようと足掻くケダモノ達の残酷な戦いの物語。

『バイド』
 宇宙からやってきた人類の敵。有機物・無機物問わずあらゆるモノに浸食し、融合・増殖し続けるエネルギー生命体。浸食された生物は精神すら汚染され、破壊衝動のままに行動する(浸食されたことにすら気付かない例もある)。イメージとしては、チェンゲのインベーダーに近い。
 中枢は異層次元に存在し、この空間へはバイドから作られた「フォース」を持つR戦闘機でなければ侵入することはできない。
 バイドとしての能力を表すのに「バイド係数」という指標が使われる。

『R戦闘機』
 バイドの欠片を人工的に制御することに成功した「フォース」というシステムを備えた戦闘機。「フォース」に蓄積されたエネルギーを放出する「波動砲」が最大の必殺技。
 フォース自体が敵であるバイドそのものであるため「バイドを以てバイドを制す」という主旨の兵器だが、この構想は戦いが激化するにつれて暴走し、R戦闘機そのものにバイドを使用したものが作られていく(このパロはこの「バイド系」と呼ばれるR戦闘機をメインにしてます)。
 また、バイドを使用せずとも倫理的に問題がある機体もいくつか存在する。それは決して科学の暴走ではなく、どんな残酷な手段を使っても人類を守り抜くための不退転の決意の結果である(と私は思っている)。
 最終作『R-Type Final』に登場する機体は、なんとなんとの100種類以上。「R's museum」で検索だい。見てるだけで楽しいぞ。

『戦争の歴史』
 第1次バイドミッション(以後、1次などと略) → オペレーション『サタニック・ラプソディー』 → 第2次バイドミッション →  第3次バイドミッション → オペレーション『ラスト・ダンス』 → 終戦


【人物・機体設定】

海動 剣

「遼!俺は絶対に帰る!帰るから!それまで、待っ…」

 タンデムパートナーの真上とともに、初陣であるサタニック・ラプソディー作戦、続く2次をアロー・ヘッドで戦い抜いたパイロット。突撃に優れた天性のアタッカーであり、流少佐亡き後のエースパイロットの一人と目されていた。階級は中尉。

 ホモセクシャルであることを公言しており、真上とはパイロット養成学校からの相棒にして恋人。その絆は深く、2次直後に真上がテストパイロットへ転属となった後も、他の者と組むことはせず、複座式であるアロー・ヘッドのシートを片方空席にしたままで駆り続けた。
 しかし、テストパイロットとなった真上がほぼ「実験体」の扱いを受けていることを知ると精神的に追い詰められていく。助けたい、助けようがない、自分には何もできないという無力感に苛まれ、結果として「バイドを殲滅し、戦争を終わらせる」という結論を得る(人道にこだわっては勝ち抜けない類の戦争であるとも察しており、すべての元凶は戦いそのものであることは以前から理解していた)。
 第3次バイドミッションからは憑り付かれたようにバイドを狩り続け、生来の好戦的な性格は次第に狂気を帯びていく。ただバイドを殺し続けることでしか恋人を救えないと思い込むまでに心を病んでいった。
 その報いか裁きか、3次中にバイドの奇襲攻撃により部隊ごと全滅。いくつかのボイスメッセージを残してMIA(戦闘中行方不明)となり、『死神』と畏怖された男の話題は3次の終結とともにひっそりと消えた。

 1年後、真上の在籍している研究所へ1体のバイドが接近する。始め単なるバイド生命体と思われた「それ」であったが、当研究所の穿月教授は多大なる犠牲を払いこれを回収。調査の結果、3次中に行方不明となったアロー・ヘッドがバイド化した成れの果てであることが判明。教授はこれを「バイド・システムα」と命名した。
 パイロットの海動はもはや人間としての要素はごく僅かなほどバイド化が進んでいたが、1年以上に渡る徹底的な人体改造でバイド細胞を最低限まで切除、体内に残留したバイド細胞はフォースのコントロールロッドを人体に直接接続させることで制御することに成功した(この、彼を「人間に戻す」時期は、自我がなかったとはいえ自らの手で最愛の人を殺し続けていた事実があり、海動にとって深い心の傷になっている)。
 ラスト・ダンス作戦から、サンプル機である「バイドシステムα」を改良した実験型「β」(また最終型「γ」)を駆り参戦。『死神』が『化物』となって戦場に舞い戻った。
 以前のバイドへの憎悪はいまだ持ち続けており、むしろ一度完膚無きまでにバイドに捕食されているトラウマから憎しみは増した。自分の人間性を奪い、絶対的な恐怖心を植え付けたバイドへの復讐心を強く持っている。

 体の重要部分がバイドに浸食されているため(つまりバイドによって生かされている状態)、バイド係数を一定値下回ると生命活動を維持できない。だからといって、バイド係数の上げるとバイド細胞がコントロール不能となり、最悪周囲を取り込み始める。よって、非戦闘時は生命活動限界ギリギリまでバイド係数を抑えられている。
 常に限界まで弱らせられている状態だが、これによって他者との接触によるバイド汚染の可能性はゼロ近くまで低下し、真上とはキスやハグ、体調の良いときはセックスもする(真上以外の人間との接触は極力避けるようにしており、周囲の人間も海動に触れようとはしないが)。
 バイドに直接攻撃された顔の右半分は修復が不可能であり、おぞましい形相のまま残っている。本人も気にしているのか、人と応対するときはそれを隠すように半身を向ける。

 バイドシステムに搭乗すると、バイド係数の上昇に合わせて強制的に衰弱させていた肉体のリミッターが一気に外れるため、反射能力はバイド化以前の比ではなく向上する。
 戦闘中は全能感・恍惚感に支配され一切の理性を失う。言動は支離滅裂で奇声を好んであげるが、真上の言では「普段とあまり変わらない」、由木の言では「会話はできないけど割とマトモに戦ってる」らしい。


R-9A 汎用量産機『アロー・ヘッド』
 第1次バイドミッションで実用化された初めてのR戦闘機。複座式(タンデム)。
 この世界で使われる最もスタンダードなR戦闘機、くらいに思ってください。


B-1Dα バイド素子強化サンプル『バイドシステムα』→同実験機『β』→同最終型『γ』
 海動のアロー・ヘッドとバイドが融合した事故機。この機体に付着していたバイド素子の研究から、後の「バイド系」機体の開発が進められることになった。疑似バイド体を機体から生成、バイド本来の破壊衝動のまま敵を自動追尾するデビル・ウェーブ波動砲で文字通り敵を喰らい尽くす。
 当機に融合しているバイドと海動自身に融合しているバイドが同一のものであるため、海動が搭乗するとそれぞれのバイド細胞が融合し、文字通り「人機一体」となる。
 戦闘後は一部であるが物理的に融合するため、戦闘後の度にバイド細胞切除手術を行い、意識回復とバイド係数の安全値低下まで無菌室に隔離される。海動に言わせれば、意識が戻ってからは「殺人的にヒマ」



真上 遼

「剣のためなら百万回死ねる」

 海動の相棒にして恋人。総合力に優れた万能型パイロットで、海動と合わせて非常に優秀なパイロットであった。階級は中尉。

 脳の情報処理速度が常人より格段に高く、サイバーコネクトシステム(いわゆる脳とコンピュータを直結させるシステム)との親和性が高かったため、2次終結直後、穿月教授のスカウトにより生体実験の被験体となる。
 それは穿月教授が「イモータル(不死)」と呼称する実験であり、サイバーコネクトによってリアルタイムで思考と記憶をコンピュータにバックアップし、クローン技術によって複製した肉体にインプットすることによって、「当人が死亡すると、記憶を引き継いだ新しい体が起動する」技術である(真上がこの実験を受け入れたのは、他でもなく海動を守るためであった)。
 そして、この神をも恐れぬ実験は成功し、以後真上は不死者として歩むことになる(実験の成功はほぼ真上のポテンシャルの高さに起因していたようで、他の不死者は作られなかったようだ)

 引き続き、同じく穿月教授考案のR戦闘機、ナノマシン搭載機「ワイズ・マン」のテストパイロットとなる。ワイズ・マンに搭載されたナノマシンはパイロットの脳に直接的かつ致命的な負荷をかけ、結果として真上は何度となく脳死を経験した(穿月教授は、試験段階で多数の死者を出したこのワイズ・マンのために、死んでも死んでもデータを取り続けられるテストパイロットを作り出す目的でイモータルを作り出したのであるから、当然と言えば当然の結果である)。
 連日淡々と蓄積される死の体験は当然真上の精神を蝕み、テスト開始からそれほどかからず錯乱状態に陥る。それでも繰り返されるワイズ・マンのテストに、テスト続行不可能となるほど精神異常は重症化した。だが、海動のMIAの報告を受けてからは一転、最愛の人の失ったショックから感情そのものが欠落し、(教授側にとっては好都合であったが)ただ機械的に死を繰り返すテストパイロットとなった。
 しかし、バイド化した海動が帰還してからはさらに豹変する。海動を元に戻すという絶対の目標を得て死への恐怖が完全に麻痺し、バイド化した機体とパイロットの調査という激務にあたった。当然だが、その中で海動(バイド)に幾度となく殺されている(『死』自体への恐怖心はないが、海動であって海動でない者に殺されることは重い精神負担になり、ある意味真上が最も苦しんだ時期でもある)

 海動が復帰してからは完成したワイズ・マンを駆り、ラスト・ダンス作戦に参加する。同時に、戦闘作戦以外でも、不死の特異体質を使ってテストパイロットも多くこなしている。

 以前は冷静沈着で理知的な人柄であったが、度重なる精神的苦痛と一度恋人をを失った経験から、偏執病の症状が現れている(不死もそれを助長している節がある。主に誇大妄想など)。また、感情のコントロールが不自由で、感情が昂ぶるとヒステリーがかった言動を多く見せる(海動曰く「ヒス野郎なのは昔から」)
 海動からの信頼が厚い由木にはあまり良い感情は持っていない。


R-9W 誘導式波動砲試験機『ワイズ・マン』
 波動砲にナノマシンを搭載し、脳波によって軌道を自由に制御するナノマシン波動砲を持つR戦闘機。パイロットの脳を極限まで酷使するため、長時間の戦闘はパイロットの生命に関わる。事実、テストパイロットを務めた真上は3桁は死んでいる(乗り慣れた今でもたまに死ぬ)。
 ちなみに、後継機に分裂式波動砲の『ハッピー・デイズ』、幻影波動砲の『スウィート・メモリーズ』があるが多分真上はこいつらのテストパイロットも務め、やはり3桁は死ぬ。
 このシリーズは他のR戦闘機と違ってキャノピーが試験管の形になっているのが特徴(中のパイロットごとキャノピーを交換するため)。真上にとって最も使い慣れた棺桶。



由木 翼

 技師。真上が転属になった後に、海動のアロー・ヘッドの整備担当となる。
 当初は海動とソリが合わなかったものの、海動の操縦技術の確かさと、なにより愛機への深い愛情を評価し、徐々に彼を認めていった。
 しかし、突如狂気的に戦いを求めるようになった海動の変貌と、そして直後の戦死。後に穿月教授の元へ転属となり、死んだはずの海動と2年ぶりに再会するまで、海動との日々は彼女にとって辛い記憶になった。
 研究所内では珍しく人道に立った見解を持つ人物で、絶対的な破壊兵器の必要性とのジレンマに苦しむ。
 メカマニアでR戦闘機をこよなく愛する。時折、データ収集用R戦闘機「ミッドナイト・アイ」を操縦して海動と真上に同行する。



流 竜馬(真)

「隼人!俺を…、俺を眠らせてくれるんだな!」

 人類最初のバイド戦争こと第1次バイドミッションからアロー・ヘッドを駆ったエースパイロット。当時急ごしらえであったアロー・ヘッドを手足のように駆り、タンデムパートナーの巴武蔵と共に戦果をあげ、R戦闘機の申し子と恐れられた。最終階級は少佐。
 相棒の武蔵、R戦闘機設計者の隼人の2人とは入軍時からの親友。特に、明言しないながらも隼人とは恋愛関係に近い関係にあり、パイロットと設計者として公私ともに支え合っていた。
 性格は若干向こう見ずだが快活な好青年であり、戦火のエースとして、また面倒見の良い上官として兵士達から尊敬される人物であった。

 しかし、サタニック・ラプソディー作戦にて、相棒であった武蔵が戦死。歯車が狂い始める。友を守れなかった無力感と終わらない戦争への苛立ち。同じように悩みを抱える隼人ともすれ違い始める。
 そんなわだかまりを抱える中で、隼人が設計した最強のR戦闘機「ウォー・ヘッド」のパイロットに指名される。搭乗には両腕両足の切断が必要と知りながらもそれを受け入れた。
 それは、友の仇を討つため、もう一人残った友を守るため、戦いを終わらせる絶対的な力を欲していたところが大きい(ウォー・ヘッドの突き抜けたスペックに純粋にパイロットとして魅せられた、愛する者の設計機に乗りたいという僅かながらの甘い独占欲があった、など色々と複雑な感情もあったようだが)。
 ウォー・ヘッドの生体ユニットに成り下がりながらも圧倒的な戦闘力で第2次バイドミッションを潜り抜け、遂には異層次元にてバイド中枢と相討ち、第2次バイドミッションに終止符を打った。
 その壮絶な最期は半ば伝説化し、まさに「最強の男」として戦士たちの胸に刻まれた。

 その3年後、宇宙の片隅でウォー・ヘッドのコックピットが密かに回収される。3年もの間コックピットに幽閉されたままのパイロットが生存しているはずもないが、幸か不幸かバイド中枢との接触によりバイド化した竜馬は「バイド」として生存し続けていた。
 穿月教授による海動中尉の前例があったため回収した隼人は再生を決行。成功はしたものの、バイドに浸食される期間が長かったため、海動のように本来の人格には戻れていない。記憶も曖昧で認識できる人間も隼人程度しかいない。口数が少なく、常に微笑を浮かべている。
 隼人が開発した「セクシー・ダイナマイトⅡ」を駆り、ラスト・ダンス作戦から参戦。意識こそ確かではないが、少佐として戦場を指揮していた習慣のせいか戦場では的確に行動し指示も出せる。よって、バイド機3機(+1機)の中で指揮官のポジションについている。

 バイド機乗りの3人の中で最もバイド化が進行しており、戦闘時以外は常に無菌室で集中管理状態に置かれる。四肢がないこともあって、いわゆる寝たきりの状態。戦闘後に無菌室に入る海動とは隣部屋で、たまに会話もするが受け答えは常に的を射ず、海動曰く「寝言と会話してる」

 あらゆる尊厳と自由を奪われた竜馬にとっては、「安らかに眠る」ことだけが唯一の願望。
 四肢も、残った体の自由も、人格も記憶も奪われた今の状態には苦痛しか感じていない。しかし、バイドとの戦い終わらせずに死ぬことはそれ以上の苦痛に感じている。
 竜馬にとって苦しみなく安らかに眠ることとは、バイドを完全に殲滅し同時に死を迎えることであり、それだけを求めて戦場へ征く。


R-9C カスタム仕様機『ウォー・ヘッド』
 1次のアロー・ヘッドのデータを元に作られたカスタム機。量産機ではなく、当時の最高の技術が尽くされたこの世に3機しか存在しない特別仕様機である。主設計者は神隼人。
 パイロットを「エンジェル・パック」と呼ばれる円筒形のコックピットに四肢を切断して封入、サイバーコネクトによって脳のみで操縦するという、完全に『パイロットを生体コンピュータとして活用』した悪魔の機体である。その高い代償のためか、原作でも「化物」と評される戦闘力を誇り、「突き抜ける最強」と評される。
 これに乗ったせいで無残な姿となった竜馬だが、本人はこの機体を大変気に入っており、バイド機に乗っている今でも「次はウォー・ヘッドを頼む」と隼人に漏らしている。


B-3C2 ゼリー状フレーム改良型『セクシー・ダイナマイトⅡ』
 BJ物質と名付けられたバイドの神経伝達物質をコックピットに充填したバイド系R戦闘機。ゼリー状のBJ物質を流動的に操作することにより、変幻自在の攻撃を行う「妖艶な炸薬」。
 パイロットに最低限の生命維持装置のみを装着させ、神経伝達物質であるBJ物質に直接ドボンさせることにより、サイバーコネクトより高い精度で脳とコンピュータの間の情報伝達が可能になる。バイド物質であるBJ物質に直接浸かるため、通常のパイロットでは猛烈な拒否反応に苦しむ。
 『セクシー・ダイナマイトⅠ』ではコックピットだけにはBJ物質が使わず、パイロットへの身体的配慮がなされていたが、竜馬帰還とともに隼人が『Ⅰ』に大幅な設計変更を加え、作り上げた。四肢のない竜馬のために操縦に指一本使わせないという隼人なりの愛情を込めた機体。



神 隼人(真)

「おやすみ…、けだもの…」

 兵器設計者。1次以前からR戦闘機(アロー・ヘッド)の開発に携わっており、若年ながらにその完成に大きく貢献した稀世の科学者。
 竜馬と武蔵とは職種を異にしながらも厚い友情を持ち、戦闘機を作る者、戦闘機を使う者として、共に平和を目指していた。

 しかし、竜馬と同じく、サタニック・ラプソディー作戦での武蔵の戦死によって戸惑い始める。
 結果、彼が求めたものは単機ですべてのバイドを殲滅させるほどの力であり、その妄執は当時考えうる限り最強の戦闘機を生み出させた(奇しくもこの時の竜馬もただ力を求め、彼と思いを同じにしていた。だからこそ、後の悲劇が生まれる)
 「ウォー・ヘッド」。従来のアロー・ヘッドのカスタム機だが、極限まで火力と機動力を高め切った機体であり、その代償として、パイロットの四肢を切除、装甲に守られたコックピットに『封入』するという人道を踏み外した設計構想であった。隼人も非道は十分に承知しており、そうでもしなければ人類はバイドに勝利できないという強い確信があったが故の、極めて「知性的」な判断だった。ただ一つ隼人が愚かであったのは、親友がそのパイロットになるかもしれない可能性を一切考慮しなかったことであった。
 結果、ウォー・ヘッドのパイロットに指名された親友の両腕両足を自らの手で切除するという地獄を味わったのは、悪魔の機体を生み出したことの罰としては十分であっただろう(隼人自身が切除手術をする必要はなかったが、それが竜馬の望むことであり、自身も他人に親友の体を切り裂かれるよりはと、施術は涙がおさまることなく行われた)。
 そこまでの苦行を味わった後、2次において竜馬の戦死という更なる追い打ちをかけられる。度重なる悲劇に遂には精神を病み、ウォー・ヘッドのコックピットが発見されるまでの3年間は精神病院へ入退院を繰り返した。
 竜馬の帰還の後は、病状を顧みず現場へ復帰。竜馬の最後の望みである「バイドの殲滅と自身の死」を叶えるために、セクシー・ダイナマイトⅡを開発する。

 竜馬が復帰した今でも変わらず精神を病み続け、薬と多忙でなんとか身を持たせている。竜馬との再会は喜ばしく思っているのだが、四肢を奪った負い目もあり、まだあまりうまく接することはできていない。
 竜馬以上に自殺願望を強く持っており、時折セクシー・ダイナマイトのBJ物質に身投げを試みようとしているのを所員に取り押さえられている。



流 竜馬(新)

「はあっ…はあ…、はぁ…あ…ぁぁ………つめてぇ、」

 元・民間人であり、サタニック・ラプソディー(この戦いではバイドの侵攻は地球にも及んでいた)被害区域の生き残り。階級は准尉。

 第3次バイドミッション中、バイド系戦闘機の研究が進められる中で、パイロット選定について死活問題があった。バイド素子を使用した機体は通常の人間では拒絶反応が起こり、長時間操縦が可能であったのは一度バイド化しバイド素子への免疫力を備えたパイロットのみであった(海動中尉、流少佐2名のみ)
 しかし、バイド化した兵士を復元するには莫大な時間も費用もかかり、また肉体的・精神的コントロールが非常に難しいなどパイロットとしては欠点があまりにも多かった。
 そこで、バイド研究者でありR戦闘機設計者である早乙女博士は、バイド汚染された戦災地域の生存者すべてを検査し、極端にバイド浸食の低い生存者を発見した。その生存者が流竜馬であり、彼はバイドに対して強い免疫力を持っていると判断し、(強制的に)パイロットとして徴兵された。
 その際、バイド系R戦闘機「アーヴァンク」へ初搭乗し、バイド化したテストパイロット(早乙女達人)を撃墜している。

 バイド素子に強いとはいえ、戦闘後は大なり小なり肉体のバイド化が免れない(浸食された皮膚は鱗状に変質する)。そのため、戦闘直後即座に浸食部位を皮膚ごと切除することでバイド化を最小限に食い止めている。戦闘を重ねる度に皮膚を剥がされ続け、その体は手術跡に覆われている(その後、戦闘が激化するにつれ手足の指、耳など体の末端部位の除去も行われた)

 他2人のバイド系パイロットと大きく異なる点は、精神をバイドに侵されていない点である。よって、精神的には全く正常であるが、逆に正常な精神のまま体をバイドに蝕まれる感覚を味わわなければならず、重度にバイド化している他2人より肉体的負担は少ないが、精神的負担はあまりにも大きい。

 誇り高く同時に頑なな性格で、理不尽な状況にあっても不平不満を漏らすことなく戦い続ける。
 表面上は明るく前向きに振る舞っており、心身の苦痛を決して他人に見せることはしない。それは他人を信用していないためではなく、今の自分の状況が宇宙にとって必要不可欠の残酷さであることを理解しているからで、それに殉じようとする意志の強靭さの裏返しである(その態度が隼人と弁慶を苦しめていることは薄々と感じている)。
 バイド機チームの中では最年少。


BX-4 ウロコ状装甲テスト機『アーヴァンク』
 バイドから採取した鱗状の表皮を装甲に利用したテスト機。鱗は攻撃においては一枚一枚をスケイル波動砲として発射し、防御においては堅牢な装甲も兼ねる攻防一体の機体。
 いまだ解明されていない部分だが、アーヴァンクのバイド因子と竜馬の肉体には奇妙な同調性が見られ、竜馬が生命の危機を感じたり精神が昂ぶったりすると、アーヴァンクのバイド部分が急速に変質・進化する。その特性から、開発当初は単に鱗に覆われた戦闘機であったアーヴァンクは、戦いの中でいつしか口のように見える機首と牙を持つようになり、「深紅の竜」と形容される姿まで変貌した。
 このことから、竜馬がバイド素子に影響を与える特異体質であることは間違いがなく、それを希望ととるか危険をとるか、周囲の人間に様々な困惑を与えている。



隼人、弁慶(新)

 早乙女博士の助手的な存在であり、隼人はバイド研究者兼医師であり、弁慶はアーヴァンクの整備を務める技術者。
 チームこそ同じだが、バイド機を戦争終結のための決定的兵器として必要悪と捉える隼人と、バイドの危険性とパイロットへの人道的立場を捨てきれない弁慶とで立場を異にしている(これが後にアーヴァンクを破壊するか否かの修羅場まで発展する)。
 竜馬加入以後、弁慶は、竜馬を取り込むことで急激に強化されていくアーヴァンクから、もはや人間では制御できない力を感じ、バイド機への不信感を強める。また、帰投する度に竜馬の体を切り刻む隼人も、果たして竜馬を苦しめているのはバイドなのか自分達なのかと迷い始める。

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