そして、おかえりミカさんんんんんん!!!!!
本日17時から鉄血のオルフェンズ2期放送!ぶっちゃけショウバイ2期より楽しみにしてた鉄血2期!(作品としての規模が違うわな)これから半年、果たしてどうなってしまうのか……っ!
鉄血1期終盤(ビスケット死亡後あたり)の流れがすごく良かったです。作品の見方の方向性を示された気がする。鉄血はピカレスクロマン、ないしは任侠モノに近いカテゴリで見た方が良いんだなあと。主人公は悪人であり間違った人間である、と初期設定されてるジャンル。
ロボットアニメ(に関わらずだけど)はやはり主人公=正義(まではいかずとも正しい人間)であることが王道だし、最終的に求めるのは戦いのない世界。ならば戦わないことがベストなんだけど、ロボットアニメなんだから戦うのは作品に必須で、そこの矛盾を埋める「戦う正当性」を用意しなきゃいけない。その正当性を具体化するのはなかなかに難しく、作品によっては独善的正義になりがちで、視聴者が「いやそれはおかしい」と思うことも多々ある。一番タチが悪いのはその(視聴者が間違っていると思う)正義が作品世界では正しいと受け入れられてしまうパターンで。デス種で、シンだけはキラのちょっとアレな正義に反論し続けてくれという視聴者の祈りも空しく、結局シンはキラとなんとなーく和解してしまって正しいのはキラということになった…というやるせない話が一番好例かもしれない。
それを鉄血に当てはめると、ビスケット死亡後の鉄華団はオルガの独善というか暴走な訳で(発破かけたのはミカだけど)。オルガの言ってることはつまり「安心して戦って死ね!」ってことで、そこには鉄華団=家族を守る正当性も存在しない(ならば正当性があるのはビスケットの方で、ビスケットと家族の犠牲を無視して鉄華団をデカくすることを選んだオルガの本音は彼自身の野心で、もっと言うと三日月からのプレッシャー――最終的には狂気の所業である。これが良い)
(ここでその狂気を鉄華団全員を伝播させられるのがオルガの才能で掛け値なくスゴいところなんだけど)全員が全員、そうだな団長の言うとおりだオルガが正しいって賛同したらタチが悪かった。視聴者もオルガが正しいって思わなきゃいけない気がするから。メリビットさん(とおやっさん)がここにきて大事な仕事をしてくれた。唯一の良心的な大人がこの状況を「間違っている」「狂っている」と発言することにより、視聴者が「あ、やっぱこの雰囲気はおかしいよね。オルガ間違ってるよね」と腑に落ちる。腑に落ちてしまえば、あとはどんな所業をしようが別に問題ない。視聴者も了承済みの悪いやつだから(この流れを汲んで2期でもオルガは悪いやつでいてほしい。というか鉄華団を続ける限り、彼は鉄華団のために家族を殺し続けるのでそうならざるを得ないはず)
作中内ですごく自然に、主人公達が正しくないって事を視聴者に説明してくれていて本当に見事だった。メリビットさん=「よい子は真似をしないでください」ってテロップ、って感じ。それだけで、制作者側も今起きていることは間違っているって認識してる&間違っているって視聴者に伝えたい、ってことが伝わる。神業だ。
結局主人公側がこの有様だし、敵側は言わずもがなだし、最終的に鉄血に正しさなんて存在しなかった、全員悪いやつだった、って思う。だから鉄血は、悪党共の信念や世渡り、悪党同士の潰し合い、悪党の中の友情を表現する任侠モノってオチなんじゃないかな。
1期で相当色んなことがあったのに、方向性にブレがないことに定評があった鉄華団(とミカさん)。2期でもこのまま鉄血と狂気の道を進みますように。終わり方が一切読めないなー。